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税理士・行政書士の藤本尚士です。
 

当HPのコラムでも過去数回述べてきましたが、創業融資を受ける際に自己資金はとても重要です。

自己資金の多さは、経営者資質や事業持続力の評価に繋がり、融資額に影響するからです。
 

もちろん、自己資金がなくても、創業計画書の完成度や面談内容によっては融資を受けられる可能性はありますが、難易度は高くなってしまいます
 

自己資金は多ければ多いほど有利です。

しかしながら、そのアドバンテージを取ろうとして「見せ金」を行うことは絶対にいけません
 

自己資金を多く見せるだけの「見せ金」はすぐにバレる上、信用を大きく損なう行為です。

 

自己資金と見せ金の定義

まず自己資金とは事業を開始する経営者自ら貯めた資金です。

条件として、

  • 預金通帳で確認できる
  • 出所が明確である
  • 返済義務がない

があります。
 

具体例としては、給与として振り込まれたお金や退職金、車や不動産等の自己資産を売って得たお金、親や友人から受けた贈与金が当てはまります。
 

対して見せ金とは、相手を信用させるために見せるお金のことで

  • 自分の資金ではないのに一時的に通帳に載せたもの
  • 出所が不明
  • 返済義務のあるお金

等です。
 

自己資金ではないのに偽っているので、当然ながら不正行為です。

 

見せ金のパターン

創業融資では事業利益の実績がないため、自己資金の有無が融資の可能性を左右します。

そのため、希望融資を獲得したいがために見せ金をしてしまう事業主はいます。
 

例えば、カードローンを利用して一時的に多額のお金を自身の口座に振り込ませ、自己資金があると表面的にみせようとします。

また闇金等から手渡しでお金を借りて、タンス預金だと言い張ることもあります。
 

これらは犯罪ではないものの、融資の審査では確実に見抜かれます

 

どうして見せ金はバレるのか

見せ金は融資の審査で確実にバレます。主な理由は下記の通りです。

  • 審査で提出する通帳のコピーでバレる
  • 高額の入金には相応の理由を問われる
  • 融資面談の担当者は見せ金を見破るノウハウを持っている

 

(1)審査で提出する通帳のコピーでバレる

 
日本政策金融公庫の融資申請には、およそ半年分の通帳コピーの提出が必要です。
 

半年分のデータの中から、怪しい部分は全てチェックされます

振り込み名が個人でも企業でも、お金の出所は厳重に調べられます。

 

(2)多額の入金には相応の理由を問われる

 
多額の入金がある場合は、担当者から詳細を問われます。

それが返済義務のない支援金なら贈与の契約書、保有していた不動産の売却金であれば売買契約書等、相応の理由と共に証明する資料も必要です。
 

「宝くじが当たった」等の嘘をついても根拠を提示できなければアウトです。

 

(3)融資面談の担当者は見せ金を見破るノウハウを持っている

 
日本政策金融公庫の担当者は多くの業種の企業、経営者と関わっており、様々な見せ金のパターンも熟知しています

そのため、騙し通すことは困難です。

 

見せ金をやった代償は大きい

見せ金を行うと審査に落とされるだけでなく、今後の申請にも大きく影響します。

失われた信用を取り戻すのは、多くの時間がかかり非常に大変だからです。
 

たった一度と軽く考えて、大きな代償を払わないようにしましょう。

 

まとめ

融資において見せ金は100%通じません。

希望の融資額を受けたいのであれば、コツコツと自己資金を貯める方が良いでしょう。
 

もし思った額の自己資金が用意できなくても、創業計画書の内容や面談での説明がうまくできれば、希望額の融資を受けることは十分に可能です。

確実性を求めるのであれば、創業融資専門の税理士に相談して計画書作成のサポートや面談への同席を依頼しましょう。

 


 

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