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税理士・行政書士の藤本尚士です。
 

以前のコラムで創業融資における審査のポイントをご紹介いたしましたが、審査のポイントの一つ一つを詳細に解説していきます。

このコラムでは「経営者資質」について解説いたします。

 

★参考記事:創業融資における審査のポイント

 

経営者に必要とされる資質とは

(1)経営についての知識量

 
経営知識というのは、経営目的や仕組み、経営者が負うべき責任等、経営者が知っておくべき知識のことです。経営管理や営業販売、人事の知識も大切です。

また、損益計算書、貸借対照表やキャッシュフローといった経理に関する知識もある程度は持っておくべきです。経営とは常にお金が絡んでくるものなので、経理知識を持つことは会社の運営に影響します。

 

(2)マネジメント力

 
マネジメントはリーダーシップとは似ているようで異なります。

リーダーシップは自分の部下やチームスタッフに対しての能力ですが、マネジメントというのは、ヒト・モノ・カネという全ての経営資源を活用して組織を導いていく能力のことです。

部分的ではなく、総合的な管理が求められる能力です。

 

(3)論理的思考力

 
経営者は、あらゆる課題を解決していかなければなりません。

そのため、複数の物事の関係を整理して筋道を立てる論理的思考力が必須です。

 
1つの物事だけに焦点を当てるのではなく、周囲との因果関係や相関関係を把握した上で考えることのできる経営者は信用を得られやすいので、困難な状況であっても周りと上手く協力して解決できます。

面談の中で、「頭の回転が速い」「思考が柔軟だ」といった印象を与えることができれば、融資担当者からの印象も高くなります。

 

(4)経験

 
経営者としての経験がなくとも、サラリーマン時代にどんな経験をしてきたのかということは重要です。例えば、以前の会社で役員等を任されていたのであれば、いくつかの部署や部下のマネジメントをする機会があり、経営の根幹に関わる業務を行なってきたはずです。

また、融資担当者は「経験を積んだ分野で起業するのか」ということを見ています。これは元々飲食業で働いていた経験があれば、分野の知識やノウハウもあるので、同じ飲食業で開業した場合に成功率が高いという経験則があるからです。

 

(5)経営者としての性分を持っているか

 
経営者には「覇気がある」ことや「危機を乗り越えるタフさ」「前向きさ」が必要です。

融資担当者がそのような印象をもてば、融資も有利に進むでしょう。

 

(6)経営に対する熱意と覚悟

 
創業に向けての取り組み方が真剣であるか、意欲があるかということが問われます。

創業は全て自己責任なので、相当な覚悟が必要です。融資面談の担当者にも創業に対する覚悟と熱意を伝えることが大切です。

 

情報開示には協力すること

融資可否の結論を出すためにも、融資担当者は創業者に関する情報を正確に把握します

よって、情報開示について協力的であるほうがスムーズに融資が決まります。聞かれていないことまで含めて全ての情報を開示する必要はありませんが、担当者から聞かれたことについてはきちんと答えるべきです。

 

まとめ

経営者としての資質は、知識や経験の他に、様々なことが必要です。ハードルが高いように思われますが、会社を運営し、利益を上げていくということはとても大変なことだからです。

 
成功している経営者が皆同じタイプというわけではありませんが、皆経営に必要な資質を持ち自身の得意な部分を活かして利益を出しています。

 


 

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