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税理士・行政書士の藤本尚士です。
 

独立して事業を始めるには、資金の調達が必要不可欠です。資金調達には色々な方法がありますが、公的機関の創業融資制度を利用することが最もお勧めです。

特に日本政策金融公庫が行なっている「中小企業経営力強化資金」は、無担保・無保証で融資が受けられるため、創業直後で実績のない経営者にとっては嬉しい制度です。

 
このコラムでは中小企業経営力強化資金の概要について解説いたします。

 

中小企業経営力強化資金とは

中小企業経営力強化資金とは、新たな事業への挑戦を行う中小企業・小規模事業者が、認定支援機関のサポートを受ける場合に利用できる融資制度です。

 
認定支援機関とは経営革新等支援機関の略で、主に中小企業などの経営支援を行っています。専門知識や実務経験が一定のレベルに達している者に対して国が認定します。

認定支援機関として主に認定を受けているのは、金融機関や税理士、経営コンサルタントなどです。

 

中小企業経営力強化資金の特徴

(1)融資限度額

 
融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)ですが、無担保無保証で借りれる可能性があるのは2,000万円までです。

 

(2)返済期間

 
設備資金は20年以内となっていますが、実務的には10年以内です。運転資金は7年以内となっています。

これらのうち2年以内の範囲で据置期間(元本の返済を待ってくれる期間)を設定することができますが、実務的には長くて1年以内、3ヶ月以内がほとんどです。

 

(3)金利

 
2,000万円以内の無担保・無保証人希望の場合、現在の金利は2.26~2.34%となっています。

 

(4)自己資金

 
新創業融資制度では、創業資金の1/10以上の自己資金を用意することが要件となっていますが、中小企業経営力強化資金では、この要件はありません。

 

申し込みのステップ

申し込みから融資までの流れは以下の通りです。
 

認定支援機関の選定
事業計画書の作成には認定支援機関のサポートが必須となっています。税理士や経営コンサル会社が認定支援機関となっていることが多いので、自身に合う機関を選定します。

公庫が指定する事業計画書・創業計画書の作成
認定支援機関サポートのもと、計画書を作成します。

申込み書類の用意
借入申込書・定款の写し・運転免許証や通帳のコピー・履歴事項全部証明書・設備投資の見積書・事業計画の補足資料等々、提出に必要な書類を用意します。

申込書類の提出
公庫のHPから開業地の管轄支店を調べ、その支店に申込書を持参します。

担当者の決定
公庫での担当者が選定され、以後はその担当者が窓口となって審査の手続きを行っていきます。

融資審査
事業計画書の内容、自己資金等について審査が行われます。

融資面談
公庫担当者と面談を行います。事業計画書の説明や、質問に対する回答を行います。

契約手続き・融資の実行
審査に通過すると融資の契約となります。金銭消費貸借契約書や銀行引き落としに関する書類などを記名、押印し提出します。その後、融資が実行され、指定された銀行口座に入金されます。

 

まとめ

中小企業経営力強化資金は、認定支援機関の経営アドバイスも受けながら事業を進めていける点や自己資金要件も緩和されている点が魅力です。

また、新創業融資と同じく無保証無担保で借り入れ可能な制度として、創業時に積極的に利用したい制度といえます。

 
次回は同制度のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

 


 

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