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税理士・行政書士の藤本尚士です。
 

事業主に対して、銀行が行っている融資は大きく分けて二つあります。
 

一つは制度融資と言って、信用保証協会の保証が付いた融資です。

保証協会が返済保証を行うので、貸した側のリスクが少なくなり、創業期の企業でも融資が受けやすい制度です。

★参考記事:信用保証協会と制度融資を解説

 

二つ目はプロパー融資です。

これは、制度融資とは逆で、信用保証協会を挟まず銀行から直接お金を借りる方法です。
 

返済保証がないので、貸す側のリスクが上がり、審査のハードルは高いものになります。

本コラムでは、そんなプロパー融資のメリット・デメリットについて解説いたします。

 

プロパー融資のメリット

(1)保証料が無料

 
前述したように、プロパー融資は保証協会を挟まないので、保証料が無料になります
 

保証料は融資額や返済期間にもよりますが、1,000万円の融資を受ける場合、およそ5~50万円程度になります。

また、制度融資と比較した場合、金利においても信用保証協会の保証料がないため、その分低金利となることがあります。
 

ただし、金利については銀行との付き合いの長さや企業の信用度などによって変わります。

 

(2)上限がない

 
日本政策金融公庫の融資制度や地方自治体の制度融資の場合、各種の要件によって融資の上限額が決まっています。

しかし、プロパー融資には上限額がありません
 

創業時にはそんなにお金がかからなくても、急成長するベンチャーの場合、業況によっては制度の上限額以上の運転資金が必要になることもあります。

そのようなケースでは、限度額のないプロパー融資は選択肢として良いでしょう。

 

(3)審査期間が短い

 
制度融資の場合、金融機関と保証協会の審査が必要となるので審査期間は長くなりますが、プロパー融資の場合、保証協会の審査がない分、期間は短いと言えます。

金融機関によっては更に迅速に対応してくれる場合もあります。

 

プロパー融資のデメリット

(1)審査のハードルが高い

 
プロパー融資については、ある程度の実績を積んだ企業や、知名度のある企業でなければ、基本的に申し込み段階で落とされるケースが大半です。

創業期にチャレンジするにはかなりハードルが高いと言えます。

 

(2)返済期間が短い

 
制度融資と比較して、プロパー融資は返済期間が短くなるケースが多いと言えます。

返済期間が長くなれば、企業の経営状況も悪化するリスクがあるからです。
 

返済期間を長くしてくれるのは、「業績が安定している」、「プロパー融資を数回利用していて返済実績がある」などの会社です。

 

プロパー融資は基本的に後で受ける

創業期の企業は実績がありません。よって、信用保証協会の保証もない状態で融資をしてくれる金融機関はあまりいません。

それらの理由から、プロパー融資は最後にチャレンジする方が現実的です。
 

プロパー融資は難易度が高いですが、信用を積み重ねていって最終的に借りれるようになることが、事業を行う上での一つの目標でもあります。

3回以上決算が済んでいる上で、決算状況も良ければ、申し込みを検討すれば良いでしょう。
 

★参考記事:覚えておきたい創業時の「融資の順番」について

 

まとめ

プロパー融資のメリット・デメリットについて解説しました。
 

基本的に創業期の段階で利用することはほとんどないでしょう。

ただし、場合によっては利用できることもあるので覚えておいて損はありません。

 


 

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