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税理士・行政書士の藤本尚士です。
 

起業家にも色々な方がいます。大半の人は経験を積んでから独立開業しますが、それまでの経験とは全く違う分野に挑戦する方もいます。

日本政策金融公庫「新規開業実態調査」のデータによると、約8割は経験のある分野で起業を行い、約2割は未経験で起業をしています。
 

未経験での起業者が少ないのは、今までの経験を事業に活かしづらい他に、融資の難易度も上がってしまう点があります。

それは、経験が信用度の高い要素だからです。採用面接でも全くの未経験者よりは経験者の方が採用されやすいですよね。
 

ただし、未経験という理由だけで、融資の可能性がないわけではありません。

あくまで要素の一つであり、他の部分で補えば十分にチャンスはあります。

 

自己資金額

経験がないのであれば、他の要素で経営者の資質をアピールして行くことになりますが、中でも重要なのが自己資金です。

自己資金は、経営者自身の事業における取り組み度合いと計画性があらわれる要素だからです。

金額は多ければ多いほど良いですが、必要資金の1/3から半分くらいの資金を貯めているのなら、いかに事業に対して本気かが伝わります。
 

なお、公庫の「新創業融資制度」には経験ありなら自己資金要件はありませんが、未経験の場合は創業資金総額の10分の1以上を用意する必要があります。

つまり、未経験で自己資金なしでは信用がないということです。
 

ちなみに新規開業実態調査によれば、自己資金の平均額は300万円程度です。

融資希望額にもよりますが、300万円程度は自己資金を貯めておけば心強いでしょう。

 

自己資金の貯蓄過程

自己資金は貯めた過程も大事です。

自己資金額は預金通帳の6ヶ月〜12ヶ月の期間分を確認されます。
 

この期間の収入や支出から、起業に向けてコツコツと給料を貯めているか、定期預金等を利用して資金準備しているか、不要な支出をしていないか等が判断されるのです。
 

なお、通帳からは、家賃の滞納や税金の滞納、ローンの滞納も発覚します。

これらが発覚した場合は、お金の支払いに関する責任能力を問われ、信用を大きく損ないます
 

公庫のローン返済は通常5~7年前後くらいと長期で金額も高いので、個人的な少額の支払いさえも遅らせる人にお金を貸したい気は起こりませんよね。

滞納はしないのが原則ですが、もし滞納しているのであればきちんと解消してから、融資の審査を受けるようにしてください。

 

自己資金以外の要素

自己資金以外にも融資成功確率を上げる要素はあります。

  • 完成度の高い創業計画書
  • 人脈のアピール

 
創業融資とは、まだ事業利益(実績)がない企業にでお金を貸す行為なので、当然ながら計画書の出来も重視されます。

未経験であっても、仕入れや販売価格の設定、売り上げや月々の返済見込みがしっかり計算され、完成度の高い計画書を作れば、融資担当者も納得します。
 

もちろん書類だけでなく、面談でしっかりと計画内容をアピールできることも大事です。

また、人脈も重要な要素です。その分野に優秀なアドバイザーや、販路を確保する仲間等がいれば事業成功の確率も上がるからです。

有能な人脈は積極的にアピールしていきましょう。

 

まとめ

未経験分野での創業融資は確かに難易度は上がりますが、不可能ではありません。

実際に2割の方が起業しているわけですし、経験以外の武器で成功させることはできます。
 

自己資金や人脈、創業計画書の完成度など、使えるものは全て使って創業融資を獲得しましょう。

 


 

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